私は映画を観る前に原作本の小説を読むことも多いです。
または、映画化されると知らずに読んでいる小説もあります。
すでに読んでいてストーリーを知っているけど、映画もちゃんと楽しめる作品は多いです。
そこで今回は、私が実際に映画も観て満足できたオススメの原作本を、洋画と邦画に分けて紹介します。
おすすめの原作本・小説【洋画】
ぼくと1ルピーの神様
クイズ番組でみごと全問正解し、史上最高額の賞金を勝ち取った少年ラム。
警察は孤児で教養のない少年が難問に答えられるはずがないと、インチキの容疑で逮捕する。
しかし、奇跡には理由があったー。
殺人、強奪、幼児虐待・・・・・、ずっと孤独に生きてきた少年が、インドの貧しい生活の中で死と隣り合わせになって目にしてきたもの。それは、偶然にもクイズの答えでもあり、他に選びようのなかったたった一つの人生の答え。
幸運を呼ぶ1枚のコインだけを頼りに生きてきた孤児の残酷だけれど優しさに満ちた物語。
おすすめポイント
主人公はラム・ムハンド・トーマス。
孤児の少年で警察に逮捕されたところから話は始まります。
それを助けてくたのが、弁護士のスミタでした。
そして、どうしてクイズに全部正解できたのかを1つずつ語り始めるトーマス。
現代のインドが抱える様々な問題も明らかになり、その状況に胸が痛くなります。
「本書の最大の魅力は、自分の頭と両手と両足以外、何も持たないトーマスが、知恵と機転で人生を切り開いていく姿にあるのではないかと思う。」と、あとがきで書かれています。
その中に、本当の真の生きる姿が見えるように感じます。
人間の強さ、行動力のすごさです。
著者は、仕事中にポッカリと空いた時間に、ふと小説を書いてみようと思って、最初のいくつかを書き上げたのが好評で、こうして1冊になったそうです。
また、それもすごいことだと思います。
映画にもなって大ヒットしました。
原作を読んでから映画を観ても、じゅうぶん楽しめる内容です。
映画は『スラムドッグ・ミリオネア』というタイトルです。
ヘルプthe Help
南部の上流階級に生まれ、黒人メイドに育てられた作家志望のスキーター。
大学卒業後に帰郷した彼女は白人社会に置かれた黒人メイドの立場に立ち、違和感を覚えはじめる。
メイドたちの真実の姿を本にまとめて世間に伝えたい、そう彼女は思い立ったが・・・・。
“ヘルプ”とは通いのメイドのこと。
原作はジャクソンに生まれ、自身も黒人メイドに育てられたキャサリン・ストケットが<もうひとりの母親>に捧げたベストセラー小説。
おすすめポイント
知りもしなかった黒人メイドたちの立場や生活。
中には、理解ある雇い主もいますが、厳しい差別がまだ残っているのかも、と思わずにはいられません。
小説の中で、作家志望のスキーターは、そんな厳しい現状を打破する解決策を考えて、ある策を練ります。
スッキリ爽快感と笑いもこみ上げるスキーターの行動に、拍手!
映画は、人気女優のエマ・ストーンが主人公で、とても合っていました。
天使と悪魔
「宗教と科学の対立」をテーマにしたミステリー
ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。
それは17世紀にガリレオが創設した科学者たちの秘密結社”イルミナティ”の伝説の紋章だった。
紋章は男の死体の胸に焼印として押されていたのだという。
殺された男は、最近、極秘のうちに大量反物質の生成に成功した科学者だった。
おすすめポイント
この作品は『ダ・ヴィンチ・コード』より前に発表された作品で、ロバート・ラングドン・シリーズの第1作です。
美術やオカルティズムに関する大量のトリヴィア、暗号解読、ごく短い時間内に数々の大事件を詰めこんだ構成など、両作の共通点は多いです。
上、中、下の3巻からなる長編ですが、あきることなくずっと面白く読めました。
火星の人
宇宙が舞台のストーリー。
主人公のマークは、火星に置き去りにされ、一人ぼっちになってしまいます。
仲間たちはマークが火星で生きていることを知らずに、地球へ戻ろうとしていました。
マークはどうにかして自分が生きていることをNASAに伝えることができたのですが、その事実はすぐには仲間に知らされません。
マークは生きて地球へ帰れるのか?
おすすめポイント
宇宙の話が好きなら楽しめる小説『火星の人』。
映画では『オデッセイ』というタイトルです。
火星で一人になってしまった主人公、マークを演じるのはマッド・デイモン。
火星で生活する様子や知恵を絞る様子など、淡々と進むストーリーの中でも、緊迫するシーンや、ユーモアを感じるシーンもあります。
ラストは息をのむ展開にハラハラドキドキ。
本も映画も面白かったです。
『火星の人』については、別記事で詳しく紹介しています。
わたしを離さないで
キャシー・Hは自他共に認める優秀な介護人。
提供者と呼ばれる人々を世話しています。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者であり、その中には、共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーもいました。
キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらします。
図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に…。
彼女の回想が明かす、ヘールシャムの驚くべき真実とは。
おすすめポイント
カズオ・イシグロの小説で、2005年に発売された英語圏の小説でもっとも話題になった一冊。
読み進めていくうちに感じる違和感。
そして、事実を知ったとき、衝撃が走ります。
映画では、キャシーやルースたちの様々な感情が、観る者の気持ちを揺さぶります。
愛しさ、悲しさ、そして絶望・・・。
小説も映画も、強く印象に残る作品です。
ハリー・ポッターと賢者の石
おなじみのハリー・ポッターシリーズの第1巻。
子どもだけが読むのにもったいないくらいの面白さです。
私も全巻を読んで、映画も見ました。
原作では、映画で描ききれなかった物語の部分があり、より世界観に浸れます。
もう、有名なので観た方も多いでしょう。
映画では、その世界観を見事な映像で見せてくれます。
魔法の世界をこれほどまでに壮大に描いた作品はなかったように思います。
そして、長い物語は登場人物の魅力を十分に伝え、勇気と感動を与えてくれました。
おすすめの原作本・小説【邦画】
永遠の0
「 娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために。」そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。
想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
おすすめポイント
映画も大ヒットして有名になった原作本です。
私は、先に原作を読んでからの映画鑑賞でしたが、話を知っていても、またそのストーリーにのめり込みました。
切なくて、温かくて、感動がおさまらなかったのを今でも覚えています。
そして、小説とはまた違う展開でのラストシーンに涙でした。(内容は同じです。)
ゴールデンスランバー
仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている時、青柳雅春は、旧友の森田に何年かぶりに呼び出されていた。その森田の様子はどこかおかしい。「お前は、陥れられている。今もその最中だ。」「金田はパレード中に暗殺される。」「逃げろ!オズワルドにされるぞ。」と鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くて爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた。
おすすめポイント
とにかく面白かったです。
映画のような感動、余韻が味わえます。
元彼女の樋口春子の口調が魅力的で好きです。
とても大きな社会から逃げているのに、数人の味方のおかげでなんとか乗り越えていきます。
絶望の中にある少しの希望も捨ててはいけないんです。
映画もほぼ原作通りの興奮しっぱなしのハラハラ、ドキドキのストーリーでした。
七つの会議
きっかけはパワハラ!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、年下の部下。そして委員会が下した不可解な人事。いったい、二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。
ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライムノベル
半沢直樹シリーズ原作者でおなじみの池井戸潤さんの作品です。
池井戸潤さんの作品は、たくさん映画化やドラマ化されていますが、『七つの会議』は短編連作集なので、少しずつ読むのにもオススメです。
おすすめポイント
小説の方では、はじめ読んでいて、一話ずつ完結しているように感じるのですが、そうではなかったことに途中から気づきます。
これが映画化になったので、どうなっているんだろう、と思ったら、映画の方も面白かったです。
裏切らない内容でした。
企業犯罪エンターテインメントで、ドキドキハラハラ、そしてビックリ!な展開にうなってしまいます。
よく考えられている、お見事、としか言えないです。
池井戸潤さんの作品はよく映画化されていますが、どれもオススメですね。
イニシエーション・ラブ
合コンでマユに出会い、付き合うことになった主人公。
あまくてほろ苦いラブストーリーかと思いきや、なんだか途中から雲行きがあやしくなってきます。
その理由は?
読み終えると、全く違った物語に変貌すると言われた作品、「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
おすすめポイント
何も考えずに読むのがポイントです。
途中でん?と思ったら、謎解きをはじめてもいいかも。
くらいしか伝えられない、ネタバレ厳禁の小説。
この作品をよく映画化できたな、と思います。
私は小説を先に読んでいたのですが、映画を先に観ていたら、もっと食いついて観ていたかも(>_<)と思わせる内容です。
ちょっと違った志向の作品を楽しみたい人にオススメです。
蜜蜂と遠雷
ピアノコンクールが舞台の小説です。
風間塵・栄伝亜夜・高島明石・マサル・C・レヴィ=アナトールの4人の演奏者は、年齢や立場もそれぞれ違います。
1人1人の、ピアノに対する思いや葛藤、背景などを描いた作品です。
私がこれまで読んだ小説の中で、読むだけでこれほど音楽を楽しめた作品はなかったです。
それだけ、たくさんの曲が出てきます。
コンクールが数日行われるという単純なストーリーなのに、冒頭から引き込まれていきました。
超大作ですが、最後まで飽きることなく観客(読者)でいられました。
読むだけでも音楽の素晴らしさに感動したのに、映像になるとどうなるんだろう、と思っていました。
映画は、作品のイメージそのままを再現されていました。
そして、やっぱりちゃんと音が入ることで、さらに感情は沸きたてられます。
読んだあとも観たあとも、胸いっぱいになれる大好きな作品です。
小説と映画の両方の感想をそれぞれ紹介しています。
こちらも参考にどうぞ。
≫本も映画も楽しめる『蜜蜂と遠雷』音楽好きな人におすすめの小説【感想】
最後に
いかがでしたか?
映画の原作本、まだまだたくさんあります。
私は、映画を観る前に原作本を読むのが好きです。
原作本を読んで感動したら、映画も観たくなりますね。
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