光の人生ノート ~ My Scrap Book~

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『獣の奏者』は感動のファンタジー小説!子どもも大人も読んで欲しい本

私が1番好きな本、『獣の奏者』を紹介します。

上橋菜穂子さんの『獣の奏者』は、想像上の獣と人間の触れ合いを描いた超大作、感動小説です。
子どもも大人も楽しめるファンタジー小説。

私はこれまでたくさんの本を読んできましたが、1番大好きな本です。

全部で4巻、プラス外伝があります。

『獣の奏者』のあらすじと感想を紹介します。

『獣の奏者』は感動のファンタジー小説

『獣の奏者』は感動のファンタジー小説

『獣の奏者』は、4巻までの長編と外伝を含めて、ぜんぶで5巻が発刊されています。

と4種類です。

私は講談社文庫で読みました。

青い鳥文庫は児童文学が中心ですが、『獣の奏者』は子どもだけが読むにはもったいない作品です。
ぜひ、大人の人にも読んで欲しい私のイチ押しです。

2014年国際アンデルセン作家賞受賞作品となっています。

『獣の奏者』のあらすじ

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決して人に馴れず、そして人に馴らしてもいけない生き物、王獣。
母親を失ったエリンが、その王獣の子リランと出会い、ともに生きていく姿を描いています。

エリンは山中で出会ったリランに魅了され、王獣の医術師になろうと決心しますが、そこから先は厳しく長い道のりが待っていました。

ここから1巻ごとに、私が印象に残った文に感想と合わせて紹介します。
あまりネタバレしたくないので、それぞれの感想はひかえめにしています。

『獣の奏者 1 闘蛇編』

 

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!
引用:講談社BOOK倶楽部 HPより

私が印象に残った文

この世に生きるものが、なぜ、このように在るのかを知りたい。

生き物であれ、命なきものであれ、この世に在るものが、なぜ、そのように在るのか、自分は不思議でならない。小さな蜜蜂たちの営みが、信じられぬほど効率がよいこと、同じ蜂でも多種多様であること。なぜ、それらがそうであるのかを考えると、果てしない問いが浮かんでくる。自分も含め、生き物は、なぜ、このように在るのかを知りたい。

獣は、人のように言葉を話さない。彼らの病を治すためには、人は彼らについてありとあらゆることを、学び続けなければならない。獣について学ぶことは、きっと、自分が知りたいと思っていることに、つながっているはずである。

エリンの物語が始まります。

母と同じ獣医を目指すエリン、その理由が上の文章にも現れていますが、それは果てしない苦難の始まりでもありました。
一人の少女のひたむきに生き物と向き合う姿に心打たれます。

まずは、この1巻を読んでみてください。

『獣の奏者 2 王獣篇』

カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく――。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。
引用:講談社BOOK倶楽部 HPより

私が印象に残った文

よい教尊師は、迷いのない教導師ではない。迷いを心に持ちながらも、常に学んでいく姿勢を子どもたちに伝えられる教尊師こそ、よい教尊師なのだと、わたしは思う。

私はあっという間に2巻も読んでしまいました。
物語に入り込み、その世界にどっぷり浸かっていました。

エリンの生き方に悲しみ、喜び、一喜一憂すると同時に、無念さも味わわずにはいられませんでした。
でもあきらめず、前を向いて進んでいくエリンの勇気は、希望とつながっているのです。

実は『獣の奏者』は、<I 闘蛇編><II 王獣編>で完結した物語でした

著者の上橋菜穂子さんがおっしゃるには、

<II 王獣編>のあとがきに書いたように、あの物語は、獣(遠い他者)に向かって、ひたすらに思いを伝えようとする人の姿を描いたもので、その結末としては、あれがすべてだと感じていたからです。その思いは、いまも変わっていません。
引用:講談社BOOK倶楽部 HPより

ですが、読者の「もっと読みたい。」という声に気持ちを動かされ、続編を書かれたのです。

そして、<Ⅲ探求編><Ⅳ完結編>では、さらに壮絶な物語が待っていました。

『獣の奏者 3 探求篇』

愛する者と結ばれ、母となったエリン。ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遥かな谷を目指すが……。
引用:講談社BOOK倶楽部 HPより

『獣の奏者 4 完結編』

闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王(ヨジエ)の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。
引用:講談社BOOK倶楽部 HPより

私が印象に残った文

人の一生は短いけれど、その代わり、たくさんの人がいて、たとえ小さな欠片でも、残していくものがあって、それがのちの世の誰かの大切な発見につながる。‥‥‥

顔も知らない多くの人たちが生きた果てにわたしたちがいて、わたしたちの生きた果てに、また多くの人々が生きていく。

この部分については、解説でも紹介されているので、ぜひその解説も読んでみてください。

ここまでの感想はあとにお伝えします。

全4巻を読まれた方は、外伝も読みたくなるでしょう。

『獣の奏者 外伝 刹那』

『獣の奏者 外伝 刹那』 壮大な物語世界に潜む、女たちの生と性。 エリンとイアルの「空白の11年」などを明らかにする物語集。 王国の行く末を左右しかねぬ政治的運命を背負ったエリンは、女性として、母親として、いかに生きたのか。エリンの恩師エサルの、若き頃の「女」の顔。まだあどけないジェシの輝く一瞬。一日一日、その時を大切に生きる彼女らのいとおしい日々を描く物語集。 エリンの母ソヨンの素顔を描いた単行本未収録短編「綿毛」収録。
引用:講談社BOOK倶楽部 HPより

『獣の奏者』を読んだ感想

読んだのは2年前です。
読み終えた日に読書ノートに感想を書いていました。
私の読書ノートについてはこちら

『獣の奏者』は壮大で壮絶な物語。
ファンタジーだけど、たびたび情景がリアルに浮かんでくるような描写でした。

一歩違えば恐ろしい猛獣なのに、愛おしく見えてくる王獣たち。
その王獣と心を通わすことができてしまったことから、エリンはその運命に一生を捧げてしまいます。

一瞬の幸運、喜びもあったでしょうが、自分の運命を覚悟するシーンは心打たれます。
エリンは、大切な自分の家族や愛する王獣たちの、少しでも希望の見える未来を夢見て、突き進んでいきます。

本当は、もっとリランと幸せに暮らして欲しかったです。
でも、この結末しかなかったのでしょう。 

そして、私たちはあまりにものんびりと暮らしてしまっているようにも感じてしまいました。
戦うことだけがすべてではないけど、もっと物事をよく見て、いい方向へ舵を切ることを忘れてはいけないと思いました。

将来を託す若い人たち、子どもたちの未来のためになることを、おろそかにしてはいけない。
そんなことを考えさせられる、とても深い内容の本でした。

こうして書いていて、また感動がよみがえってきました。

読み終えたあと、胸が苦しくなるほどの感動と涙でした。
そして、こうしてあらためて記事にして、忘れていた気持ちも思い出しました。

最後に

上橋菜穂子さんの『獣の奏者』を紹介しました。
私がこれまでたくさんの本を読んできた中で、1番の大好きな感動本です。

ファンタジーが好きな人、ファンタジーを敬遠している人にも読んでもらいたいです。
実際に、ファンタジーを毛嫌いしていたけど、間違いだった!という人もいます。

ペットを飼っている人、動物に関わる仕事をしている人、動物が好きな人、どれにもあてはまらないけど本が好きな人、

とにかくたくさんの人に読んで欲しい物語です。

ますは1巻をぜひ読んでみてください。

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