こんにちは。
大好きな作家さんの1人が上橋菜穂子さんです。
最新刊を読んだので、紹介したいと思います。
上橋菜穂子さんの『鹿の王 水底の橋』です。
『鹿の王 水底の橋』の紹介
2019年3月 角川書店発行 417ページ(本文) 1,600円(定価)
2015年本屋大賞受賞作『鹿の王』
その先を描いた命の物語!
なによりも大切にせねばならぬ人の命。
その命を守る治療ができぬよう、政治という手が私を縛るのであれば、私は政治と戦わねばなりません。
本の帯より
『水底の橋』の内容
黒狼熱大流行の危機が去り、東乎瑠帝国では、次期皇帝争いが勃発。
様々な思惑が密かに蠢きはじめているとは知らずオタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医・真那の招きに応じて、恋人ミラルとともに清心教医術の発祥の地・安房那領へと向かう。
ホッサルはそこで、清心教医術に秘められた驚くべき歴史を知るが、思いがけぬ成り行きで、次期皇帝争いに巻き込まれていき!?ふたつの医術の対立を軸に、人の命と医療の在り方を描いた傑作エンタテインメント!
引用:Amazon内容紹介より
『鹿の王』のシリーズ最新刊でその時の主人公のひとり、ホッサルが主人公です。
他にも同じ登場人物が出てきますが、『鹿の王』を読んでいなくても充分に楽しめます。
また、『水底の橋』を読んでから『鹿の王』を読むのもいいかと思います。
『水底の橋』を読んだ感想
私は『鹿の王』も読んでいましたが、人物や話は何となくうろ覚えだったのですが、この『水底の橋』を読みはじめて少しずつ思い出しました。
そして、私はこの『水底の橋』の方が面白かったです。
『鹿の王』は上・下巻からなる超大作でしたが、こちら『水底の橋』は1巻。
でも、この1冊にあらゆる読みどころがギュッと濃縮されています。
1ページ1ページが奥が深いんです。
医療サスペンスの要素を含んだファンタジーという感じで、陰謀の黒幕は誰なのか、その本当の狙いは何なのか、
また、ホッサルとミラルの恋の行方は?と切ない恋模様も描かれていて、いろいろな視点で楽しめます。
でも、何よりも興味深いのは医療に対する様々な人達の思いです。
人を助けたいという気持ちは同じなのに、土地が違うと思うように治療ができない、ホッサルの歯がゆさ、悔しさが伝わってきます。
治せる患者を諦めない、
言い訳をつくって、見つけられるかもしれない道を、見つけずに立ち止まらない
医術師として真摯に立ち向かうホッサルやミラルたちの姿に心打たれます。
また、あとがきでは、著者の上橋菜穂子さんがこの『水底の橋』を書くことになったきっかけのお話もされていますが、その上橋さんの書く情熱がこの本からも伝わってくるようです。
上橋さんの物語は、読み始めると止まらないけど、いつも読み終えたくない気持ちにもなりますね。
『鹿の王』はこんな人におすすめ
『鹿の王』をどういった人に読んで欲しいか、と言うと、全ての人に読んで欲しいと言う気持ちなのですが、
- ファンタジーが好きな人
- 医療に携わっている人
- 医療の道を目指している人
- 冒険が好きな人
- 子育て中のご両親
と言ったところでしょうか。
子育て中のご両親におすすめしたいのは、大切な命を育てているお父さんやお母さんにも読んで欲しいと思うからです。
また、子育てで忙しい中でもひと時の自分の時間で読書を楽しんで欲しい、その時にいい本を選んで欲しいなと思うのです。
すでに、読書が好きな方なら、もう本は持っているでしょうが、何か読みたい本を探しているなら、『水底の橋』もおすすめの1冊です。
最後に
『水底の橋』の主人公のホッサルやミラル達は医術師として、当たり前といえば当たり前のことをしているだけです。
でも、人は長く生きている間にその当たり前のことができないことがありますよね。
したくてもできない状況であったり、何かに邪魔されたり、自分の気持ちの問題だったり。
でも、そこで勇気を出して、思い通りにやることをする、やって当たり前のことをどれだけできるかで、自信がついていくようにも思います。
そこから、道が開けることもあるのではないでしょうか。
『水底の橋』を読んで、私はそう思いました。
簡単ではないですが、いろいろなところで勇気を出せるといいですね。
そんな児童文学としても人気の上橋菜穂子さんの本ですが、私は大好きでエッセイ以外はほとんど読んでいます。
以前、ブログで紹介したこともあるのですが、
私が1番好きな本は上橋菜穂子さんの『獣の奏者』なのです。
これは、今でもよく覚えている物語です。
是非、すてきな読書タイムを過ごして下さいね。
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