光の人生ノート ~ My Scrap Book~

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『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』の感想!感動のラストに泣き笑い

『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』を読みました。

髙田郁さんのシリーズ小説『あきない世傳 金と銀』も、もう10巻目となりました。
みをつくし料理帖シリーズが全10巻でしたが、それを超えるシリーズ物となりそうです。

『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』を読みながら、このままスムーズにことが運んで欲しい、まさかまたどんでん返しがあるのでは・・・とドキドキでした。

『あきない世傳金と銀(十)合流篇』を読んだ感想をお伝えします。

『あきない世傳金と銀(十)合流篇』の内容

『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』の感想!感動のラストに笑い泣き

世傳とは、代々に渡って伝えていくという意味です。

物語のお店は呉服商で、大坂に本店があります。
念願が叶って江戸へ店を出してから、6年目となりました。

『あきない世傳 金と銀(八)瀑布篇』で、店主である幸のたった1人の身内である結が、大事な型紙を持ち出し、いなくなってしまいました。
呉服太物商で勢いをつけていた矢先のできごとでした。

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五鈴屋にとって不運が続きます。
呉服仲間からはずされ、呉服商いができなくなるという最大の危機に襲われます。
それでも知恵を絞って策を練る幸と職人たち。
『あきない世傳 金と銀(九)淵泉篇』では、少し希望が見えてきたところで話が終わっていました。

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浴衣の誕生

五鈴屋で新しく生み出そうとしているのは浴衣でした。

今では当たり前のように、夏のお祭りによく着られる浴衣ですが、当時は浴衣といえば湯屋で一時的に着るものでした。
湯屋でのおかみさんたちの声もヒントになっていました。
「せっかく汗を流したのに、着物を着込めば、また汗みずくになっちまう。もう、湯帷子(ゆかたびら)のまま帰りたいくらい。」

絹織と違って木綿は水にも強い。
湯屋で着るだけでなく、家でのちょっとしたくつろぎのときにも使ってもらえる浴衣に変えようと、試行錯誤を続けていきます。

男女の違いを超え、身分を超えて、江戸の街に木綿の橋を架けたい

図案を描き、道具をこしらえ、型を彫り、型付けして染める。
月日をかけて、世に送り出そうと決めた五鈴屋でした。

そんな中、大坂からの仲間が3人、長い道中を終えて江戸にやってきました。
大坂から来た1人に、4代目店主の前妻である菊栄(きくえ)もいました。
菊絵は、大阪でも幸のよい相談相手で頼もしいお姉さんといった感じです。
幸は心強くなり、五鈴屋はにぎやかになります。

ただ、図案を描く役目の賢輔だけは、うまく筆が進まないことに悩み苦しむ日々が続いていました。
型付師の力造に型彫師の梅松は、そんな賢輔を見守りつつ、それぞれの道具の準備を整えていきます。

川開きの花火見物

江戸に店を開いて6年目、力造たちに案内され、幸たちは川開きの花火見物をはじめて見に行くことになりました。
行くのをしぶっていたのを息抜きにと、連れて行かれた賢輔でしたが、その目にうつった花火から何かを得たようでした。

浴衣の歴史

浴衣の歴史を調べてみました。

銭湯の普及と共に浴衣の起源は平安時代の貴族が蒸し風呂に入る時、水蒸気でやけどをしないように着たことから始まります。浴衣の語源は、「湯帷子(ゆかたびら)」と言われ、平安時代に入浴時に着られていた着衣でした。
その後、綿素材で汗を吸い風通しの良いことから湯上がりに着られる着衣となり、就寝時に寝間着として用いられるようになりました。やがて、江戸時代の中期に入りいまのような着方に近いちょっとした外出着にも着られるようになります。
引用:ゆかたの歴史|NPO法人日本ゆかた文化協会

きっと今のような浴衣が仕上がるまで、同じような苦労があったのでしょうね。
それを、物語として描かれているのが『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』です。
浴衣好きの人は、この10巻だけ読んでも楽しめるかもしれません。

『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』を読んだ感想

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ここから先は、ネタバレ含みますので気になる方は飛ばしてください。

普通に外で着られる浴衣を作ると言っても、そうカンタンではありません。
紙の問題に仕立てる作業。
でも、ここまでまわりの人たちやお客さまを大事にしてきた五鈴屋に運がめぐってきます。

浴衣を作るという発想から2年。
やっと完成した500枚の浴衣。
その一部は、まずはお披露目のために、いくつかの場所へ配られます。
浴衣を実際に着てもらって、街の人たちの目にとめてもらうのです。

お披露目のときは、はじめて見た花火から翌年の川開きの日。
花火見物に来た人たちの目にうつったのは、藍色の地に、白抜きの紋様。
描かれているものは・・・。

江戸の夏の風景が変わりました。
みんなが藍染の浴衣のとりこになり、冬でも肌着代わりに着てもらえるようになりました。

実はこうして書いている私は、思い出してまた感動して涙が出てきています。
奉公人たちと同じような気持ちで、浴衣の誕生を待ちわびていたからというのもありますが、実は他にも見守ってきたことがあります。

堅気な職人の梅松と、大坂からはるばる出てきたお梅の縁組。
お梅さんは私より年上なんですよ。(*´艸`*)
この2人の間に縁をつないでくれたかわいい子猫も出てきます。

『あきない世傳金と銀(十)合流篇』のラストは、泣き笑いです。
やっとホッとできました。
まだ完結はしていません。

菊栄はかんざしを作って、女店主としてやっていこうと何やら策を練っている様子。
結のことも気になるし、呉服太物商いへの返り咲きも期待しています。

あとどれだけ続くのかはわかりませんが、まだまだ楽しませてほしいです。

最後に

『あきない世傳 金と銀(十)合流篇』を紹介しました。

商いとはなにか、うまく商品を広める方法はなにか、知恵を絞って人と違った方法で試してみる。
それが、なかなか難しいんですよね。
沈んだときには焦らずにじっくりと考えるいいチャンスかもしれません。
商売って大変ですが、目先を変えることでどんどん面白くできるようにも思います。

髙田郁さんの本は、人情味に溢れた内容でやさしくてあたたかいから大好きです。
いろいろなお話の中では、知恵と工夫が出てくる瞬間がよくあります。
その部分を読むたびに、感心すると同時に深い感動に包まれます。

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どの本もオススメですよ。^^