『書店ガール』は書店を舞台にした小説です。
主な登場人物が書店で働く女性スタッフです。
全部で7巻まで発売されているのですが、ようやく読むことができました。
このブログでも、何度か感想とともに紹介してきました。
きっと、『書店ガール6』まで読まれた方は、7巻も読まれるでしょう。
『書店ガール7』ではビブリオバトルが出てきますので、これからビブリオバトルをされる予定のある方にも参考になるかと思います。
この『書店ガール』の中でのビブリオバトルはどういった感じなのかも合わせて、シリーズの完結編『書店ガール7』を紹介します。
『書店ガール7 旅立ち』ビブリオバトルの参考にもなる
2018年9月 PHP文芸文庫より発行 本編338ページ
著書は碧野圭さん、出版社で勤務された経験がある作家さんです。
『書店ガール7 旅立ち』あらすじ
中学の読書クラブの顧問として、生徒たちのビブリオバトル開催を手伝う愛奈。故郷の沼津に戻り、ブックカフェの開業に挑む彩加。仙台の歴史ある書店の閉店騒動の渦中にいる理子。そして亜紀は吉祥寺に戻り…。それでも本と本屋が好きだから、四人の「書店ガール」たちは、今日も特別な一冊を手渡し続ける。すべての働く人に送る、書店を舞台としたお仕事エンタテインメント、ついに完結!
引用:Amazonの内容紹介より
第1章 愛奈
第2章 彩加
第3章 理子
第4章 亜紀
各章は、これまでの主な登場人物、4人のストーリーになっています。
『書店ガール7』の読みどころ
『書店ガール7』の読みどころを紹介します。
ビブリオバトル
第1章の愛奈の話でビブリオバトルが出てきます。
ビブリオバトルって何?
自分がおすすめする本を、みんなの前で紹介して投票してもらうんだよ。
ビブリオバトル公式ルール
- 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
- 順番に一人5分で本を紹介する。
- それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分で行う。
- すべての発表が終了したあとに「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
(ビブリオバトル普及委員会)
引用:『書店ガール7』より
公式サイトもあります。
愛奈は努めている中学校で読書クラブの顧問をしています。
文化祭で読書クラブはビブリオバトルをすることになり、まずは部員の中で練習をして発表をするシーンがあります。
3年生の6人がそれぞれ本を持ってきて、発表するのですが、選んだ本は様々です。
大好きなアニメの原作本、自己啓発の新書、狼の生活を書かれた本、人気の小説、短編集などです。
ここで発表される本は、実際にある本だよ。
このままいい調子で本番も迎えられるかと思いきや、実はこの中の一人の生徒には悩みがあり、愛奈はどうしてあげたらいいかと頭を悩ますことになるのです。
1番の読みどころは理子の第3章
第2章の彩加は、地元に帰って久しぶりに会った友達との再会で忘れかけていた気持ちを思い出したり、初心に戻ったり。
そして、何と言っても読みどころは第3章の理子。
この3章が1番ページ数が多いです。
1巻の時から店長として登場して、その後も何度か出てきて、エリアマネージャーに昇格しています。
そんな理子が担当する一つの書店である櫂文堂が閉業するかもしれない事態に。
老舗でお客様からも信頼の多く、売上が悪いわけでもないのに、新しいプロジェクトで近くに大型書店ができることが原因です。
本部とお店のスタッフとの間で苦悩する理子。
果たして、櫂文堂やスタッフたちはどうなるのか?
その理子と1巻から険悪な雰囲気で登場した亜紀の話が第4章です。
子育てのため、しばらく現場から離れていた亜紀ですが4年ぶりに復帰できることになり、張り切って出勤します。
それも、店長という立場で。
『書店ガール7 旅立ち』を読んだ感想
まず、第1章のビブリオバトルで、私も初めてビブリオバトルを聴いたような気分になりました。
実際に参加したことも、聴いたこともありませんが、こういものなんだと初めて知りました。
読んでいる私も、観客になったような気持ちでした。
どうしてこの本を選んだか、という話から始まり、自分が感じたこと、面白いと思ったところ、アピールしたい部分などを一人ひとりが熱く語ります。
中学生だけど、しっかりまとまっていて、さすが読書クラブ!と思わせてもくれます。
中学生が自己啓発本なんて、すごいね。
サッカー少年が、脳の習慣について書いた本を紹介したんだよ。
サッカーをしているのに?
それが、サッカーをするのにとても役立つことが書いてあったんだって。
すごい!中学生!と私は感心しながら読み進めました。
第2章からラストまでも、スラスラ読めて面白いです。
読みやすいけど、友達同士の関係や、仕事をしていくのに大事なことなどをちゃんと書かれています。
『書店ガール』シリーズを通して読んできての感想
『書店ガール』を1巻から読んできて、登場人物たちの成長も見守ってきたような感じです。
本にまつわるエピソードが満載で、実際にある本もたくさん出てきます。
本屋の実態、出版社の現状、そして本に携わる仕事をする人たちを描いたストーリー。
その背景には人間関係があり、お客様との関わりがあり、大切な家族がある。
この本だけでは伝えきれない事実もあるでしょうし、苦労ももっと多いかもしれません。
でも、『書店ガール』は、働く人たちを応援する本です。
私は、特に若い人で接客業やサービス業でお仕事をされている方におすすめしたいです。
『書店ガール』それぞれの本をおすすめしたい人
それぞれの巻で、こういう人に読んで欲しいな、と思ったりもしました。
たとえば、バイト中や就活中の人に読んで欲しいのは4巻。
新社会人におすすめなのは5巻
アニメやコミックが好きな方には6巻
最後に
シリーズ最終巻の『書店ガール7』を読んだ感想をお伝えしました。
『書店ガール7』は中学生のビブリオバトルが出てきます。
ビブリオバトルを予定されていて、どんな感じで本を紹介しようか悩んでいる方にも、参考になるのではないでしょうか。
この7巻だけを買って読んでも大丈夫です。
7巻を読んでしまっても、1巻から読み直しても面白く読めると思います。
今では、ネットで簡単に本も注文できてすぐに届きます。
でも、本屋さんに行ってたくさんある本を眺めて、読みたい本を探す楽しさは本屋さんならではです。
ひとつの本屋が地元のお客様に親しまれて愛される理由も、この『書店ガール7』には書かれています。
本屋だけでなく、お店を営まれている方にも興味深く読めるところがあるのではないでしょうか。
興味を持たれたら、手にとって読んでみてください。
\ありがとうございます!/
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