気に入ったシリーズ本の小説は、やっぱり最後まで読んでしまいますよね。
私は、今までにもシリーズ本をいろいろ読んできましたが、『書店ガール』も好きな小説のひとつです。
碧野圭さんの小説ですが、本が好きな人なら読んでいてい楽しいストーリーです。
それに私は、仕事をする人にも参考になるヒントが、たくさんある小説だと思っています。
『書店ガール6遅れてきた客』の内容と感想を紹介します。
『書店ガール6遅れてきた客』のあらすじ
2017年7月発行 PHP出版です。
前作の5巻を読んだ感想はこちら。
>『書店ガール5』を読んだ感想 【新社会人にもおすすめの本】ラノベとは?
5巻で、やっと念願の店長になった彩加。
取手の駅中書店で、悩みや問題を解決しながら落ち着いてきたところでした。
一年半たち、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところに、本社から突然の閉店を告げられます。
一方で、編集者の伸光は担当していた作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定します。
しかし喜びもつかの間。
思わぬトラブルが発生します。
2人が、それぞれの逆境の中で、悩み解決した方法とは?
『書店ガール6遅れてきた客』を読んだ感想
ネタバレを少し含みます!
書店の店長になった彩加はまさかの店舗閉店を告げられ、とまどいます。
「自分が作り上げたお店が1年半も絶たないうちに閉店?ようやく軌道に乗ってきたところなのに。」
せっかく店長という立場にも慣れ、やりがいも感じはじめていた矢先です。
読んでいる私でも、店員たちとの信頼関係もできてきたところなのに、どうして?って思いました。
彩加は悲しみに暮れるのですが、他のスタッフにはまだ言えません。
1人で周りに気づかれず、閉店に向けての準備をしていくことは辛いですよね。
そう思いながら、開いたページの1文が目に入ります。
『世界はあなたのためにはない』
「世界は、あなたの前に、重くて冷たい扉をぴったり閉めている。それを開けるには、じぶんの手で、爪に血をしたたせてて、こじあけるより仕方がないのである。
‥‥‥しかし、この言葉は今も有効である。」
『世界はあなたのためにはない』
これは、雑誌『暮しの手帖』の編集者だった花森安治の言葉だそうです。
彩加はこの文を読み、悲しくなり涙が溢れてくるのですが、そのあとでひとつの思いが生まれて気持ちが軽くなるのです。
そのひとつの思いとは?
それは、この『書店ガール6』を読んで、彩加と一緒に考えてみてほしいです。
花森安治『世界はあなたのためにはない』
その時々で、読む人の感想はいろいろだと思います。
何とも深い言葉ですね。
そして『書店ガール6』に出てくるもう1人の主人公は、編集者の伸光。
彼が担当している作品がアニメ化が決定するのですうが、制作側の担当者との意見のすれ違いから、問題が続いてしまいます。
伸光も心身ともに追い詰められるほど悩み苦しみ、体調まで壊してしまいます。
結果的には、その作品の作家のお陰もあり、何とかいい方に話は進んでいくので、ホッとしました。
アニメの現場、コミック担当という言葉を読んでは、京都の事件も思い出し、辛くもなってしまいます。
その現場で働いている人のアニメやコミックへの思い、仕事への向き合い方など、真剣ながらも楽しんでいる様子が伝わってきて、本当に何とも言えない気持ちになりました。
まとめ
『書店ガール6』を読んだ感想をお伝えしました。
どんな仕事でも、一所懸命になると見返りを求めてしまいがちですが、ちゃんと見てくれる人はいて、ふと訪れる人の優しさや思いやりにありがたくなるんですよね。
自分の気持ちに正直に好きな仕事に取り組む姿勢は、周りから見ていてもわかります。
面と向かって感謝を伝えてくれる人もいれば、遠くから見守ってくれている人もいます。
そして『書店ガール6』の主人公の2人も、決して1人で闘ってきたわけではないのです。
気づけば、周りの人たちに支えられていました。
2人がそれぞれどんな道を選んで、仕事に対する思いがどんなものだったのか、ぜひ読んで味わって欲しいと思います。
いよいよ『書店ガール』次巻の7巻で最後となります。
『書店ガール7』も引き続いて読んで、また紹介したいと思います。
→読んだので、感想を書きました。
>接客業におすすめの『書店ガール7』感想!ビブリオバトルの参考にも
外に出れない日は、家でゆっくり読書をするのもいいですよ。(^^)
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