髙田郁さんの『あきない世傅 金と銀(八)瀑布篇』を読みました。
『あきない世傅 金と銀』シリーズの八巻目です。
発売されたのは、今年の2月。
すぐに購入してはいたのですが、すぐに読むのはもったいないような気がして今になってしまいました。
でも、読みはじめると、ページをめくる手が止まらなくなるのはいつものこと。
特に、後半から読むスピードがあがりました。
じっくり読みたいのに、早く先を読みたくて、どんどん読み進め・・・・
そして、最後を読み終えた感想は、
もう少しあとに読んでも良かったかも。
その理由は、このあとに。
まだまだ続きそうな予感の
『あきない世傅 金と銀』シリーズの八巻目「瀑布篇」。
読んだ感想をお伝えします。
『あきない世傅 金と銀(八)瀑布篇』髙田郁
2020年2月ハルキ文庫より発行 334ページ 600円
『あきない世傅 金と銀⑧瀑布篇』の内容
遠目には無地、近づけば小さな紋様が浮かび上がる「小紋染め」。裃に用いられ、武士のものとされてきた小紋染めを、何とかして町人のものにしたい―そう願い、幸たちは町人向けの小紋染めを手掛けるようになった。思いは通じ、江戸っ子たちの支持を集めて、五鈴屋は順調に商いを育てていく。だが「禍福は糾える縄の如し」、思いがけない禍が江戸の街を、そして幸たちを襲う。足掛け三年の「女名前」の猶予期限が迫る中、五鈴屋の主従は、この難局をどう乗り越えるのか。話題沸騰の大人気シリーズ第八弾!!
引用:裏表紙より
八巻目は瀑布(ばくふ)篇となっています。
という意味だそうです。
八巻目を読み終えると、いくつかの瀑布のイメージが湧いてくるかも。
学者の子として生まれ、9歳で呉服屋「五鈴屋」に女衆奉公をすることになった主人公の幸。
商才を見込まれて、四代目から三代に亘っての女房となり、
六代目の没後は期限付きで七代目の店主となり、大阪から江戸へ出てきました。
二年前にはじめた江戸での商いも、努力が報われる売上にまでなった。
「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて、どんなお客にもていねいで親切に対応する。
その誠意と、数々の知恵をしぼってきた結果だった。
そしてまた新たに、五鈴屋の小紋染めが世の中に広まろうとしている。
しかし、またもやいくつかの試練が待ち受けていた。
どう乗り越えるのか、また幸たちは良い知恵を出せるのか?
『あきない世傅 金と銀(八)瀑布篇』の感想
前半は、安定してきた江戸での五鈴屋の商いに、安心した気持ちでゆったりと読んでいたのです。
自分自身もお客になったような、もてなしてもらっているようなそんな気持ちで。
そこに難題が起こり、どう乗り越えるのかが気になってきます。
さらに、女店主としての期限もせまる中、八代目をどうするかにも頭を悩ます。
その上、大切な身内の恋も気がかりになり・・・
商いでは、さらに一歩を踏み出そうとしていて、後半からは気になることが次々に出てきてどんどん読んでいったら!
最後の最後で、
えーっ、もう続きが気になるやーん。
そうなんです、
読めたのはいいものの、続きが気になってしかたがないのです。
だから、もうちょっと後に読んでも良かったかなー、と思ったんです。
ネタバレはしたくないので、詳しくは書けませんが、
この幸せな展開から、ドーンと落ちる様子が、まさしく瀑布のような。
(解釈が違っていたら、スミマセン。)
そう言えば、髙田郁さんの今までのお話ではたびたびありますね。
また、そこからどう盛り返すのかも、楽しみでもあるのですが。
いつも『あきない世傅』を読むたびに思うんですが、やっぱり、商いって面白い。
いつも頭をひねらせて、どんどん知恵を出していく。
決してカンタンではないけれど、ひらめいた時はこの上ない幸せな瞬間が待っている。
そんな瞬間に読者も一緒に味わえます。
『あきない世傅』を読んでいると、時には五鈴屋のお客としてもてなしてもらったり、
時には仕事仲間として一緒に考えながら、商いにたずさわってるような気持ちになったりします。
まわりの人たちのことをどう思いやりながら商売をしていくか。
結果として、お店が大きくなることにつながる。
「買(こ)うての幸い、売っての幸せ」
呉服屋だけでなく、どんな仕事にでも当てはまることですね。
最後に
『あきない世傅 金と銀(八)瀑布篇』を読んだ感想でした。
早く続きが読みたくて仕方がありません。
今回で八巻目。
まだまだ五鈴屋の発展に、登場人物たちの今後が気になります。
続きがとても楽しみで、楽しみを待つのもいいものです。
まだ、読んだことがない人は、一巻から一気読みもオススメです!
前作の『あきない世傅 金と銀(七)碧流篇』の感想は、こちら。
高田郁さんの本、全て読んでいます!大好き。
それにしても、いつも文庫本からの発売、ありがたいです。^ ^
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