『あきない世傳金と銀(十二) 出帆篇』を読んだので、感想をお伝えします。
私の中では、11巻を読み終えたときに、そろそろ終盤、もしかして次がラスト?などと勝手に思っていました。
でも、12巻を読み終えて、五十鈴屋の発展とともに、お話はまだまだ盛り上がりそうな気がしています。(あくまで予想です。)
前の11巻でも、いろんな進展がありましたが、12巻はさらに前進しています。
出帆のときはもうすぐです。
五十鈴屋は無事に呉服商の商いを復活することができ、これまでの地道な努力もあって、商売はますます軌道に乗りはじめました。
そこへ、またあらたなお誘いが。
しかし、まだ解決できていない問題もあります。
『あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇』の内容と、読んだ感想をお伝えします。
『あきない世傳金と銀(十二) 出帆篇』の内容
江戸にて創業10年を迎えた五十鈴屋。
まだ、正式に呉服を扱える許可は出ていませんが、五十鈴屋の商売は順調でした。
勧進相撲の力士の名入り藍染め浴衣で、名を広めることができたことも大きいです。
それは、浅草太物仲間の浴衣地商いも同じで、勢いは伸びていました。
力士の藍染め浴衣については、11巻で登場します。
感想と合わせて、こちらで紹介しています。
>『あきない世傳 金と銀(十一)風待ち篇』仕事本としても読める小説
呉服商も扱えるかもしれない道筋が見えはじめますが、なかなか許可はおりません。
そんな中でも、じっと待っているわけでなく、新しい試みをスタートさせます。
と、この先はネタバレになるので、あまり詳しくは書くのはやめておきます。
商売が順調な中でも決してぶれず、お客さまを大事にし、仲間と知恵を分け合い、進んできた五十鈴屋。
大きな商いの依頼が来ます。
この商いの流れが意外な展開になり、五十鈴屋にとって大きな転機となります。
読んだ感想!期待したいこといろいろ
もうそろそろ終盤だと思っていましたが、12巻を読んで、話はどんどん勢いを増しているように感じました。
五十鈴屋の商売は軌道に乗ってきましたが、常に幸は「これで大丈夫か、なにか大事なことを忘れていないか」考えています。
その結果、多くのお客の気持ちをつかんで、上の方まで気にとめてもらえるようにもなりました。
この先も、なにか問題が起こっても、うまく解決していくだろうという安心感があります。
逆に、これまでの、いろいろな危機を乗り越えてきた場面でのドキドキ感は、薄れるのではないか、という思いもあります。
でも、きっと髙田郁さんのこと。
違う喜びや驚きを与えてくれるはず、と期待しています。
それと、1番気がかりなのが、幸と結との関係ですね。
五十鈴屋が順調に進めば進むほど、こじれてしまう気がしています。
姉である幸にはなにもかなわないと、出ていった結
幸を超えたいと思っているかもしれませんが、実行したことがすべて裏目に出ている気がしますね。
幸が上っていけば、結が落ちていくような。
12巻まで読んできて、その点がなんとも、やるせない気持ちになっています。
五十鈴屋が安泰となった今、願うのは幸と結の平和な再会。
結の気持ちを、晴れさせてくれる答えはどこにあるのか。
髙田郁さんが、どう導いてくれるのかが楽しみです。
最後に
『あきない世傳金と銀(十二) 出帆篇』を紹介しました。
今回は、短くまとめています。
あまり詳しく書くと、読む楽しさがなくなる気がして。
五十鈴屋は大きく進もうとしています。
次の展開に結びつく形で、お話が終わっているので、とても楽しみです。
予想しつつも、予想をはるかに超えてくるのでは、とついつい期待も大きくなっています。
そろそろ、結の姿も見たいですね。
髙田郁さんの本はぜんぶ読んでいます。
まとめた記事もあるので、よければ参考にしてください。