髙田郁さんの人気シリーズ『あきない世傳 金と銀(七)碧流篇』を読みました。
私は髙田郁さんの大ファンで、全作品を読んでいます。
『あきない世傳 金と銀』は時代小説ですが、とても読みやすいです。
女性が主人公で活躍する話なので、女性の方には特におすすめです。
『あきない世傳 金と銀(七)碧流篇』のあらすじと、読んだ感想をお伝えします。
『あきない世傳 金と銀(七)碧流篇』の内容
2019年8月 角川春樹事務所 発行 660円
大坂天満の呉服商「五鈴屋」の七代目店主となった幸は、亡夫との約束でもあった江戸に念願の店を出した。商いを確かなものにするために必要なのは、身近なものをよく観察し、小さな機会を逃さない「蟻の眼」。そして、大きな時代の流れを読み解き、商いに繋げる「鶚の目」。それを胸に刻み、懸命に知恵を絞る幸と奉公人たちだが―。ものの考え方も、着物に対する好みも大坂とはまるで異なる江戸で、果たして幸たちは「買うての幸い、売っての幸せ」を実現できるのか。待望のシリーズ第七弾!
引用:Amazonの内容紹介より
今では店主となって見事な采配を振り、人情も大事にして信用が得られた幸ですが、五鈴屋に奉公に来たときにはまだ9才の女の子でした。
家族と離ればなれになり、苦労もして、店主までに成長した幸の物語の途中です。
全巻の6巻を読んだ感想はこちら。
>『あきない世傳 金と銀(六)本流篇』を読んだ感想【商売の本質とは】
この7巻『碧流篇』では、幸と奉公人達は新しい試みを行うのですが、この小説を読んでいないと知らない伝統工芸品のこともいろいろと出てきます。
例えば、伊勢型紙
友禅・ゆかた・小紋などの柄や文様を着物の生地を染めるのに用いるもので、千有余年の歴史を誇る伝統的工芸品です。
こういった、知らないことを知るのも楽しみ。
『あきない世傳 金と銀7』の読みどころと感想
・元々は大阪天満が舞台ですが、念願だった江戸で店を出すことができ、どうやって五鈴屋の名を広めていくのか
・縁あって出逢えた役者の富五郎のなにかを抱えているような思いとは何なのか
・女店主となって3年、幸はこのまま店主を続けられるのか
などなど、読みながら気にかかることはいくつもあり、次々とページをめくる手が止まりません。
あと、今回の話の中でたびたび出てきて、とても印象に残った言葉があります。
それは、矜持という言葉。
自信や誇りを持って、堂々と振る舞うこと。
きんじ。プライド。
この矜持、どこで使うかが大事なんだと思いました。
- どういった場所で、どんな時に使うものなのか
- 揺らぎない矜持を持って商いをしているか
私はいつもこの『あきない世傳 金と銀』を読むと、商売って面白いなーと思うのです。
人や店同士のつながりがどれほど大事なのか、だからこそ大切にしないといけないものがあって、大変だけどやりがいもあります。
知恵を出し、実行して、それが人の役に立って、お店の繁盛にもつながる。
「買うての幸い、売っての幸せ」は何よりもの心の豊かさになっています。
最後に『あきない世傳 金と銀』シリーズをおすすめしたい人をあげてみます。
『あきない世傳 金と銀』をおすすめしたい人
- 時代小説に興味はあるけど、敬遠している人
- 女性が主人公なので、女性の方
- 商売を営んでいる方
- 着物や和服が好きな方
そして、やっぱり読書が好きで、長編が好きな方にはおすすめですね。
女性を支えてくれる男性の方も、読んでください。
まだ読まれていなくて、『あきない世傳 金と銀』シリーズに興味を持たれたなら、まずは1巻を読んでみてください。
最後に
髙田郁さんの『あきない世傳 金と銀(七)碧流篇』を読んだので感想を紹介しました。
『あきない世傳 金と銀』シリーズは、まだ完結していません。
毎回、読んでいて新しい発見と感動があります。
髙田郁さんの本は、ぜんぶ読んだのでまとめています。
よければ、参考にしてください。