私が小学生のときに、母からすすめられて読みはじめた漫画『小さな恋のものがたり』。
チッチとサリーの恋のお話です。
久しぶりに読んでみたくなり、最新刊の第44巻を買ったのは、去年の秋、発売されてすぐでした。
それで知ったのは第43巻で、お話はいったん完結していたということ。
44巻のタイトルをよく見れば「その後のチッチ」と副題が付いています。
44巻も読み終えたあとで、43巻も読んでみました。
そんなことになっていたのか。
しかし、チッチも成長したなー。
そして、45巻も発売になりました。
『小さな恋のものがたり』43、44、45巻を読んだ感想をお伝えします。
ネタバレ含みますので、注意してください。
チッチとサリーの漫画『小さな恋のものがたり』
作者はみつはしちかこさん。
『小さな恋のものがたり』を書き続けて50年。
2010年に大病をされて、思うように書けない時期もあったそうです。
でも練習を重ねて、こうしてまた続きのお話を出してくれました。
やさしいタッチのイラストですが、所どころでステキなポエムが入っています。
主人公は高校生のチッチ
『小さな恋のものがたり』は、高校生同士のあまずっぱい恋のお話です。
主人公のカップルは、ちょっとおっちょこちょいで背が低いチッチ(小川チイコ)とハンサムでかっこよくて背が高いサリー(村上聡)。
1番よく登場するのがチッチなので、主な主人公はチッチかな、と思います。
この44冊、チッチとサリーの2人はずっと高校生でした。
その道のりで2人の仲もいろいろあるのですが、読んでいてほほえましく、またはチッチと一緒に悲しくなった思い出があります。
読みはじめた私は小学生だったのに、いつのまにかとっくの昔に2人の年を超えて、娘たちもチッチより年上になっているではないですか。(*_*)
そして、チッチのまわりの仲間たちもそれぞれの恋に悩み、成長していくのです。
(高校生のままだけど(^^;)
こんな、ひたむきで甘酸っぱい恋、したかったなー。
チッチがうらやましく思います。
私の年齢では知っている人もいると思うのですが、読んだことがない人も多いかもしれません。
ストーリーとしてはちょっと昔の内容になるでしょうね。
昔だからこそ味わえた新鮮な気持ち、今の便利な世の中とはちょっと違う恋のお話。
でも、今の若い人が読んでも、微笑ましく感じるのではないでしょうか。
第43集で完結していた!?ネタバレ含む感想
いったん完結していた『小さな恋のものがたり』、第43巻を読んだ感想です。
これまでずっと順調だったわけではないけど、落ち着きつつあったチッチとサリーの恋。
その別れは急にやってきました。
サリーが突然、チッチに告げた「スエーデンに留学して物理を勉強したい。」
!?なに、いきなりスエーデン!!って感じですよね。
サリーらしいと言えばサリーらしいです。
でも、チッチの気持ちを思うと・・・(´;ω;`)
サリーはこうも言います。
考えさせられる言葉です。
確かに、ずっと純粋な子どもの気持ちを持ち続けることはできても、大人になるとそれだけではすまないことも出てきますね。
そのための1歩を、サリーは踏み出そうとしているのだと感じました。
チッチは、と言うと、やっぱりすごく動揺します。
急なことで、サリーはあさってには飛び立つというのですから。
もちろん悲しみます。
でも、以前のチッチは違う、とも感じました。
自分なりに、サリーとの別れを受け止めようとしているところに、成長が見られました。
痛々しいながらも、進もうとする勇気が見えます。
そんなチッチが愛おしいんですよね。
第44集その後のチッチ
第43集から4年後に発売された第44集。
その後のチッチ、とはサリーとお別れしたあとのチッチです。
国内ならまだしもスエーデンという遠い国に行ってしまったサリー。
思い出さない日はないでしょう。
もちろん、今のように携帯電話なんてありません。
さびしさを抱えながらも、チッチは毎日を元気に過ごしています。
何より、ステキな仲間たちがいます。
別れを経験したばかりで、どう前を向いていいかわからない、と思っている人に読んでほしい内容だと思いました。
第45集も読んでみた
続いて、2020年に第45集も発売されました。
まだ、サリーと離れたままのチッチ。
そして、あったかい仲間たち。
チッチはちょっと元気を取り戻したようにも見えますが、ふとしたときにサリーとの思い出がよみがえります。
ラストに、ほんのちょっとですが、サリーと再会するシーンがあります。
予告もなく突然に。
お互いにかける言葉が切なくて…。
チッチが愛される理由
小さなチッチ、まだまだ幼さが残っている高校生なのに、まわりから好かれ、読者から愛されています。
それは、チッチが素直で純粋な心の持ち主だからではないでしょうか。
ふつうの日常でちょっとしたことに感動して、ちょっとしたことに悩む。
でも前向きに歩いていくたくましさ、そんなところが大好きなんですよね。
ほっとけなくて応援したくなる。
チッチより若い年に読んだときには、憧れの気持ちでチッチとサリーの物語に入りこみ、大人になってからは、2人が愛おしくてたまらない。
そんな気持ちです。
最後に
久しぶりに『小さな恋のものがたり』を読んで、またチッチに会えて嬉しかったです。
いつまでもチッチの様にピュアな気持ちでいたいですね。
みつはしちかこさんも、きっと同じピュアな方なのでしょう。
こんなにステキな恋の物語をこんなに長く、たくさん書かれてきたのですから。
本当にありがとうございます。
また続きが読みたいです。