光の人生ノート ~ My Scrap Book~

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原田マハ『常設展示室』の感想!絵が好きな人におすすめのアート短編小説

原田マハさんの本は好きでよく読んでいます。
最近読んだ原田マハさんの本は短編集でした。
『常設展示室』です。

美術館の雰囲気が漂うタイトルですね。

もしかしたら、原田マハさんの長編を何冊も読んできた人には、この短編集はサラッと読めて物足りないと思うかもしれません。

逆に、初めて原田マハさんの本を読む人には、アート小説というのがどういうものかわかる内容だと思います。

そして、今まで美術館にあまり行ったことがないけど、興味を持たれている方にもおすすめです。

『常設展示室』の内容と読んだ感想を紹介します。

原田マハ『常設展示室』の内容

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2018年11月新潮社より発行 190ページ 定価1、400円

人生のきらめきを描き出す、極上の6篇。

その絵は、いつでもあなたを待っている。人生の岐路に立つ人たちが辿り着いた世界各地の美術館。巡り会う、運命を変える一枚とは――。故郷から遠く離れたNYで憧れの職に就いた美青は、ピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会うが……(「群青 The Color of Life」)ほか。アート小説の第一人者が描く、極上の6篇。
引用:新潮社HPより

ぜんぶで6話の短編集です。

1話ずつ、その話の登場人物が思い出に残る、絵画や大事な作品を描いたストーリー。

絵やアートが好きな人が、気になるタイトルになっています。

それぞれのタイトルと、カンタンなあらすじに、関係する画家を紹介します。

群青 The  Color of Delft

美術館で働く美青が、子ども向けのワークショップを企画します。

偶然、出会った少女が絵が好きそうだったので、そのワークショップに誘うことになりました。

でも、そんな美青には、心配なことがあったんです。

少女と美青が見つめる絵、この絵でピカソが本当に描きたかったのは・・・

/ピカソ

デルフトの眺望 A  View  of D eift

父の介護のため、久しぶりに会った姉弟のなづきとナナオ。

なづきは子どもの時、仕事で忙しかった父を待つ寂しさを、美術大全集でまぎらわせていて、ひとりの女性の肖像画に心ひかれました。

その後、大手ギャラリーに務めますが、その肖像画を見るために美術館に行き、偶然に見つけてしまった[窓」がありました。

/フェルメール

マドンナ Madonna

2話の話のなづき(七月生)と同じ職場のあおいには、一人暮らしをしている母がいます。

その母が入院したとイタリアで聞いたあおいは、美術館を訪れます。

見たかったのはボッティチェリの絵だったのに、ある一枚の絵を見て母との約束を思い出しました。

/ラファエロ

薔薇色の人生 La Vie en Rose

受付業務の多恵子は45才の独身。

突然に現れた素敵な男性、そして恋の予感。

イメージチェンジをしてまわりを驚かすほどに心はときめき、男性と再会します。

恋の結果は・・・。

/ゴッホ

豪奢 Luxe

IT起業家と密会を続ける紗季は、アートの仕事をやめたことを後悔しはじめていました。

両親と出かけた美術館の思い出がよみがえります。

思いがけず、パリのホテルに一人っきりになってしまった紗季は、夜の美術館を訪れました。

そこで出会った絵から気づいたこととは。

/アンリ・マティス

道 La Strade

フィレンツェの大学の客員教授の翠は、優雅な生活を送る美貌を持つ42才の女性。
ある芸術大賞の審査員も務めています。

いつもの様に、数ある作品から選んでいた中、一つの絵に心を持って行かれてしまいました。

その絵は誰が描いたものなのか気になり、過去を思い出します。

/東山魁夷

『常設展示室』を読んだ感想

どのお話の主人公も女性です。
美術関係の仕事をする女性が多いです。

子どもの時から絵に関心を持っていた女性もいれば、何かがきっかけで絵を見る機会が得られた女性もいました。

訪れた美術館で出会った絵画、何かを感じずにはいられなかった作品が出てきます。

一人ひとりがその時に出会うべきして出会った絵が、それからの人生を変えてくれるかもしれないんですね。

私が好きなお話は「群青」です。

この絵でピカソの伝えたかったことに、考えさせられました。

『常設展示室』は、絵が好きな人に読んでもらいたい1冊です。

原田マハさんの小説は、私は長編を好んで読みますが、『常設展示室』は数人の画家と絵画に触れ合うことができるので、いい意味で贅沢な1冊です。

初めて原田マハさんの読まれる小説が『常設展示室』で、読まれて気にいったら、他の長編も楽しめると思います。

最後に

『常設展示室』を読んで、また美術館に足を運びたくなりました。

私が美術館巡りをはじめた時は、正直なところ、全体を流し見して終わりでした。

でも、何度もいろいろな美術展に行くうちに、少しずつ関心の度合いが増えてきて、自分の中に知っている絵がたくさん増えるのがうれしくなってきました。

だから、『常設展示室』はこれから美術展に行ってみようかなーと思っている人にも、オススメの1冊です。

絵と向き合った時にどんな風に感じるかは人それぞれ違います。
そして、本を読んだ時に感じることもそれぞれでしょう。

他にも原田マハさんの本を紹介しているので、興味を持たれたら読んでみてくださいね。

>本と美術が好きな人におすすめ!【原田マハのアート小説8作品】

www.mitsu-note.com

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