シリーズ本もいろいろ読んできましたが、終わりまで長い年月がかかる小説もありますね。
宮本輝さんの流転の海シリーズがそうでした。
全部で9巻が発行されています。
執筆に37年かかったとか。
最終巻は『野の春』。
後半残りを読み出したら、面白くてやめれず、最後まで読んでしまいました。
『流転の海』は宮本輝さんの自伝的大河小説と言われているシリーズ本です。
とても読みごたえのあるシリーズでした。
最終巻の『流転の海 第九部 野の春』を紹介します。
流転の海最終巻『野の春』宮本輝の自伝的大河小説
執筆37年、感動の最終幕
『野の春』のあらすじ
自らの父をモデルにした松坂熊吾の波乱の人生を、戦後日本を背景に描く自伝的大河小説「流転の海」。昭和42年。熊吾が授かった息子・伸仁は20歳の誕生日を迎える。「俺はこの子が20歳になるまでは絶対に死なん」そう誓った熊吾の、大願成就の日を家族3人で祝うが・・・・・。
熊吾の人生の最後には、何が待ち受けていたのか。妻の房江は、伸仁はどう生きていくのか。そして、幸せとは。宿命とは何だろうか。
引用 本の帯より
37年もの歳月をかけて書かれた、大河小説。
主人公の松坂熊吾の人生。
流転の海第9部『野の春』を読んだ感想
あとがきで、著者の宮本輝さんが「未完で終わってしまうのではないかという恐怖があった。」と書かれています。
私を含めずっと読んできた読者も、最終章を無事に読み終えたいという想いだったと思います。
私がこの小説を知ったのは7.8年前でしょうか。
図書館で借りて読み続け、第八部の『長流の畔』を読み終えてからは、この最終章が待ち遠しくて。
去年の秋に発売され、すぐに購入はしたものの、読み始めたのは今年になってから。
そして、後半の半分を一気読みしました。
本当に長い長い物語でしたね。
そして、とても素晴らしい作品でした。
宮本輝さんの本は大好きなので、たくさん読んできました。
『流転の海』シリーズは、本当に一冊一冊が読み応えがあり、それぞれが心に響くものがありました。
昭和の時代の家族の物語ですが、そこに感じられる人間臭さがあるものの、人間の面白さに人と人との縁、苦労をしながらも味わえる幸せ、そして、宿命とは何かを考えさせられます。
熊吾と房江の生活は豊かな生活とは言えません。
二人のように年をとりたい、二人のような生き方がしたいと思いました。
周りの人を大切にして、思ったことはすぐ行動に移す、
その結果がどうであろうと、その時その時を悔いなく、自分に正直に生きているように思えるからです。
ラストは涙があふれてきました。
きれいごとのない、普通の生活感のある小説にこれほどのめり込むのは、やはり宮本輝さんの絶妙な物語の描き方なのでしょうか。
凄いですね。
また、大阪が舞台で馴染みのある所が多く出てくるので、そういったところも、とても興味深く読めました。
最後に
流転の海のシリーズの最終巻、第九部の『野の春』を紹介しました。
是非、超大作を読みたい方にオススメです!
まだ、読んだことのない方は、今から通して読めるので、それはそれで羨ましい。
まずは、第一巻の「流転の海」を読んでみて下さい。
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